2007年4月2日ソロモン諸島周辺で発生した巨大地震(改訂v0.2)


007年4月2日(現地時間)にソロモン諸島周辺でM8クラスの巨大地震が発生しました。 FDSNとGSNの地震波形記録をIRIS-DMCからダウンロードして、地震時の断層面上の滑り分布を求めることを試みました。ここで、安定かつ詳細な震源モデルを構築するために、ABICを使用した震源インバージョン法を使用しました。
再解析の結果、モーメントマグニチュード (Mw) は8.3、破壊継続時間は150secと求まります(モーメントマグニチュード、破壊継続時間は過大評価している可能性があります)。破壊は深さ15kmから始まり、主に北西方向に向かって伝搬しています。最大滑り量は約7m で、海底近傍に位置します。海底近傍での大規模な逆断層運動が、津波を大きくしたと考えられます。

主な解析結果

地震モーメント Mo = 3.2 x 10**21 Nm (Mw 8.3);
破壊継続時間 T = 150 sec ;
(strike, dip, rake) = (300, 19, 72)
震源: (Lat. = -8.481Lon. = 156.978, depth= 15 km).
[ここで,震央はUSGSの速報値を使用しました.]



滑り量分布。星印は震央

震源メカニズム解、震源時間関数、滑り量分布


距離と時間軸に投影した滑り速度分布。青四角は、各ノットで全体の滑り量の50%を解放した時間を示す。


観測波形(黒線)と理論波形(赤線)の比較


解析に使用した観測点分布

2007年4月2日にソロモン諸島周辺でM8クラスの巨大地震が発生しました。 FDSNとGSNの地震波形記録をIRIS-DMCからダウンロードして、地震波形を確認したところ、破壊継続時間が少なくとも100秒以上継続していることが分かります。これらの地震波形を使用して、地震時の断層面上の滑り分布を求めることを試みました。 解析の結果、モーメントマグニチュード (Mw) は8.2、破壊は深さ約26kmから始まり、北西方向に向かって約250km伝搬したことが分かりました。最大滑り量は約3.6m です(この値は詳細な解析により変化する可能性があります)。地震時の断層破壊の継続時間は、約140秒にも達します。この値は、通常のMw8.2規模の地震と比べて大きな値です。破壊伝搬速度の平均値を求めると約2.2km/secとなります。(文責 八木勇治)

追記:今回の地震は、規模としては、2003年十勝沖地震と同程度ですが、十勝沖地震は、深さ17km から深い領域に破壊が伝搬しているのに対して、今回の地震は、26kmから浅い領域に破壊が進行しています。海底近くで断層が動いた点、逆断層である点を考慮すると、大きな津波が励起された可能性が高いです。また、破壊継続時間は、通常のこのサイズの地震と比べて2倍程度長い点を考慮すると、強震動は同程度の地震と比して小さい可能性が高いです(一部の報道によると、2分程度ゆっくりとした横揺れが続いた)。これらのことを考慮すると、地震の揺れに比して、津波が大きくなる津波地震と言えます。

主な結果

地震モーメント Mo = 2.3 x 10**21 Nm (Mw 8.2);
破壊継続時間 T = 140 sec ;
(strike, dip, rake) = (300, 14, 82)
震源: (Lat. = -8.474 Lon. = 156.95, depth= 26 km).
[ここで,震央はUSGSの速報値を使用しました.]


滑り量分布。星印は震央

震源メカニズム解、震源時間関数、滑り量分布


距離と時間軸に投影した滑り速度分布。青四角は、各ノットで全体の滑り量の50%を解放した時間を示す。


観測波形(黒線)と理論波形(赤線)の比較


解析に使用した観測点分布
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